ホワイトカラー化の進展と都市の発展-各種統計データによる統合機関概念の操作化試行
Project/Area Number |
04610112
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
藤原 眞砂 いわき明星大学, 人文学部社会学科, 助教授 (50209128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 武夫 いわき明星大学, 人文学部社会学科, 教授 (50050860)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 都市化 / ホワイトカラー化 / 統合機関 / 管理中枢機能 / 人口 / 職業構造 / サービス経済化 / 産職マトリックス |
Research Abstract |
本研究の目的は都市の統合機関概念を国勢調査の就業者の産業、職業統計(以下、産職マトリックス)を利用し、操作化しようとするものであった。操作化の一手法として、統合機関の主たる機能である管理中枢機能を支える就業者カテゴリーであるホワイトカラーが当該都市の全就業者数においてどれほどの割合を占めているのか、すなわちホワイトカラーの就業者比率を統合機関の集積度の指標として利用した。この指標をもとにして、すでに昭和60年時点で50万以上の全国の都市21に関してそのホワイトカラー比率を算出した。これによると、ホワイトカラー比率は管理中枢機能の集中度をある程度反映したものと見なせる上に、これと当該都市の人口増加率との間に高い相関があることを発見した。これは政治、行政、経済などの第一次統合機関がそれに就業する人口やそれに便益を供給するその他の第二次統合機関を吸引し、人口増加を帰結したことを証左していると見なせる。本研究はこれらの都市の中で、北海道、東北、中国、九州の各地域の地方中枢都市とされる札幌、仙台、広島、福岡を中心にそれ以下の各地方都市がホワイトカラー比率を指標とした場合に、どのような分布を示すのかを昭和60年国勢調査資料をもとに検討した。これによると地方中枢都市を中心にして、それ以下の都市のホワイトカラー比率が下降して行くことを観察したが、これに応じて各都市の人口増加率も減少していることも確認した。要するに、全国レベルで観察されたホワイトカラー比率と都市の人口増加率との間の相関関係が、各地方中枢都市とそれ以下の地方都市の間にも存在する事を確認した。目下の課題は既存の知見を産職マトリックスが利用可能な他の年次の国勢調査をもとに検証すること、統合機関の集積度の代替指標としたホワイトカラー就業者比率と事業所統計、商業統計の照合を行い、代替指標の理論面、操作面での精緻化することである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)