Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
木下竹次の『学習言論』,『学習各論』,ならびに『学習研究』誌上に表れた算術教育の理論的・実践的論考をOCRでMS-DOS上に読み込み,新教育・自由教育における教育用語・術語を系譜歴・時期的・構造的に分析し,理論の実践的解釈ならびに実践の理論化の系譜と形態を解明した. 本研究は,計算機による術語の検索・抽出・統計・分析を軸とする研究である. 分析の視点は,1.新教育運動の動向と数学教育改造運動の関係,2.新教育と日本における数学教育改造の試み,3.木下竹次の算術教育論である. 分析の結果,1.新教育・進歩主義教育運動の性格には,実質陶冶と形式陶冶・客観主義の克服から合科学習の発想が生まれていること,2.世界的規模での数学における教育改造運動の日本的受容の形態は,ペリーの実用数学,デューイの数学思想における実用主義と融合主義が基盤であったこと,3.日本における新主義数学の展開には,精神主義的錬磨主義による変容がみられたこと,4.数学の国家的改造の試み(菊池大麓・藤沢利喜太郎・小倉金之助等の実用性と論理性の関係の処理)の多様性が,日本における数学改造運動の多様性を生み出していること,5.奈良の学習法は,1〜4の数学学習論の論理的不整合性を哲学的概念の導入により乗り切ろうとしたものであったこと等が帰結される. 今後は,奈良の「学習法」における「算術問題構成法」に関し,評価の観点から,形式陶冶の克服としての数量生活発展の形態の分析を行う.
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