Project/Area Number |
04610150
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大塚 豊 広島大学, 大学教育研究センター, 助教授 (00116550)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 中国 / 大学 / 高等教育改革 / カリキュラム / ソ連モデル / 教育計画 / 教研組 / 単位制 |
Research Abstract |
本研究は、中華人民共和国建国前後に実施された高等教育改革の一環として、中国の大学カリキュラムの原型が徐々に形成されていった過程を実証的に解明することを目指した。その過程では、国民党統治時代に開設された一連の旧い科目が除去され、やがて、きわめて細分化された専攻ごとに、個別科目の教育内容や教材に到るまで全面的な検討が行われ、最終的に全国的な統一カリキュラムが編成された。従来、こうした改革はソ連モデルの影響下に実施されたと一般的に理解されてきたが、詳細な検討はなされたことがなかった。 そこで、本研究では、建国前に華北高等教育委員会が制定した「各大学専科学校文・法学院各系数育課程暫定規定」や、建国後の教育部が公布した「高等教育機関のカリキュラム改革実施に関する決定」ならびに「高等教育機関の文・法両学院各系のカリキュラム草案」など、関係法規の収集・翻訳し、数年間に見られるカリキュラム内容の変化を分析した。同時に『人民日報』『中華教育界』など当時の新聞・雑誌掲載の関連記事・論文、中国で翻訳・紹介されたソ連のカリキュラム案を網羅的に収集し、新しいカリキュラム制定の過程で生じた中央政府と地方および大学との葛藤や、ソ連モデルと土着モデルの影響関係を分析した。 この結果、(1)カリキュラム改革では文科系が先行し、理工系の改革は時期的に遅れたこと、(2)教育系の事例から見ると、当局によるカリキュラムの一方的押しつけという一般的イメージと異なり、専門家・教職員・学生を含む幅広い層による検討が繰り返し行われたこと、(3)思想・政治教育関係の科目を中心に、解放区、つまり建国以前の中国共産党支配地域における中国独自の教育経験が相当に採用されていたこと、(4)ソ連モデルの影響は五二年以降であることなど、多くの新たな知見を獲得することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)