Project/Area Number |
04610195
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 英男 東京大学, 史料編さん所, 助手 (40182456)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 国衙行政 / 国衙文書 / 在庁官人 / 留守所 / 勘申文書 / 国判 / 丹勘 / 免除領田 |
Research Abstract |
本研究では、平安時代国衙に関する新たな機構論的検討を進めていく前提として、国衙関係文書の史料学的調査及び分析を行ない、その結果得られた種々のデータを今後の検討に資する形に整理することを目的とした。研究の実施に当たっては、まず10・11世紀の土地の領有の認定に関わる文書を主たる対象とし、中でも国衙による土地領有認定の過程が「国判」「丹勘」等の形で文書様式上に如実に表現されている勘申文書について検討を行なった。はじめにこれらの文書に関する所在情報を蒐集し、その結果に基づいて山城・大和・伊賀・丹波・讃岐・筑後(大宰府)・豊後等の諸国の国衙関係文書について、原本・影写本・写真などにより史科学的調査を行なった。また、土地領有に関する文書という点から、当該地の状況と対応させた検討が必要となるため、現地比定や条里の復原等に関する調査をあわせ行なった。蒐集した史料学的データは、年代、地域、発給主体、宛先、関連する官職・地名・人名・寺社名、文書の様式・形態・機能、料紙の様態、書誌・所在情報などを多角的・効率的に検索できる形で整理し、このための画像データベースをパーソナル・コンピュータ上に構築した。これらのデータの分析を踏まえた平安時代国衙に関する機構論的検討は今後の課題であるが、一つの予察として、地方行政機構に属する在地官人の主導によって国衙の各種行政業務の官僚制的整備が促されていく過程を抽出しえるものと考えられ、その中に国衙をめぐる各種政治勢力の歴史的動向を浮かび上がらせることができると思われる。こうした見通しにしたがい、今回の研究では奈良時代以来の国衙行政業務の実態の検討という観点から、国衙関係木簡の調査も行なった。今後は、いくつかの史料群として伝存している「返抄」等の国衙の貢納関係文書について引き続き調査を行ない、同様の観点から検討を進める計画である。
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