Project/Area Number |
04610228
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北原 敦 北海道大学, 文学部, 教授 (00011297)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 多様な地域世界 / 南部主義 / 首都ローマ / 県知事 / 善政 / 媒介的機能 |
Research Abstract |
研究目的として、「イタリアの統一国家と地域世界の関係を、国家の側の統合の努力とそれへの地域世界の対応という観点」を設定した。この目的の達成に必要な文献資料の収集をまず行い、設備備品費(図書購入)として75万円を支出した。これらの図書を利用して、1861年に形成されたイタリアの統一国家が、多様な歴史、文化、制度、慣習をもつ諸地域の統合をどのように図ったかを検討した。地域統合の制度的措置としては、中央政府任命で強い権限をもつ県知事の役割が問題となるが、この県知事の活動の実情を調べていくと、必ずしも従来の研究史が強調してきたような中央による地方の一方的支配という関係ではなく、知事はそれぞれの県の事情を考慮しながら地方行政の運営を図っており、中央と地方の媒介的機能を果している姿が浮かびあがってくる。この点を明らかにできたのは、一つの成果であった。また、統一国家の首都にローマが選ばれたことは、当時ローマが政治的経済的にイタリアの中心であったからというより、古代ローマ以来の歴史的イメージによって首都に選定された経緯を調ベることができた。 一方、統一国家の成立に当って諸地域がどのように対応したかについては、大きく北部、中部、南部の三地域に区分して検討を試みたが、実際に研究に着手できたのは南部イタリアに関してであった。南部イタリアをめぐっては、統一国家形成の直後から「南部主義」として知られる議論の系譜があり、これは南部社会の実態を調査し、南部社会の改善を提案するのだが、そのために政府の善政に期待する立場で、社会内部から改革を進める見通しに欠けていた。そこで、南部社会内部からの改革の動きはどのような形で存在したのか、この場合その改革によって国家と南部社会との関係をどのように考えようとしたのかの検討を進めたのであるが、この問題の解明は不十分なままにとどまった。
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