Project/Area Number |
04620010
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中川 淳司 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20183080)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 政府開発援助(ODA) / 民主主義 / 外交政策(日本) / 内政不干渉 / 南北問題 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は三つにまとめられる。第一に、日本政府が「政府開発援助による民主化支援」のためにとる具体的な手段を明確にし、かつ、その各々の手段に関する先例を収集したこと。第二に、「政府開発援助による民主化支援」策の実施が引き起こすさまざまな法的問題点を明らかにし、それについてのさまざまな見解を整理したこと。第三に、日本の方策と比較する意味で、この分野において豊富な経験を有する米国の「人権外交」について、基本的な情報を収集・整理したこと。 第一の点に関しては、公刊された文献・資料、及び当局者への面接調査を通じて、「政府開発援助による民主化支援」の具体的な手段が、(1)民主化の進展に対して援助を増額・復活する(ポジティブ・リンケージ)、(2)民主化に逆行する動きに対して援助を削減・停止する(ネガティブ・リンケージ)、(3)民主化を促進するプロジェクトを援助する、の三つに集約されることを明らかにした。先例によれば、日本政府はこれまで主として(1)を実施してきたが、ミャンマーやザイール等に対しては(2)を実施し、また、特にソ連・東欧の社会主義諸国の崩壊に伴って、(3)の実施が本格化しつつあることが指摘できる。第二の点に関しては、この政策の実施にともなって生じる国際法上の問題を、特に内政不干渉原則との関係に焦点を当てて検討し、検討結果を公表した(中川淳司「政府開発援助と民主主義、人権、平和主義」『国際開発研究』1巻2号)。第三の点に関しては、米国の人権外交の経緯、その国内法上の根拠、人権外交をめぐる国際法上の問題点を検討し、検討結果を1992年12月に国際開発学会年次大会で発表した(本年6月に刊行の『国際開発研究』2巻2号に掲載予定)。今後は、この政策をめぐる法的な問題点についての研究をさらに進めるとともに、他の援助国の政策との比較研究も進めたい。
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