Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
各種のマクロ経済データを初めとして,株価収益率などのファイナンス関連の多くのデータは,非定常であることが知られている。このような非定常性についての検定問題,モデルの国有根が1か否を調べるので,通常「単位根の検定問題」として知られている。そして非正規性を前提としたさまざまな単位根検定の方法が提案されてきた。しかしこれらの検定は対象とするモデルの構造が異なるたびに異った統計表を用いなければならず,極めて不便であることが知られている。 そこで本研究では,(1)最小二乗推定量の漸近分布が常に正規分布になるようなモデルの変換法を提案した。そしてこの方法に基づく単位根検定の方法を示した。結果として,検定は通常のt検定ならびにX^2検定によって行うことが可能となる。基本的考え方はI.CHOIの未発表論文と同様であるが,自己回帰モデルの真の次数よりも意識的に高めの次数のモデルを推定することにより,上記の結果が可能となる。さらに,(2)提案された単位根検定法の小標本における特性を調べるために,モンテ・カルロ実験を行った。すなわち,提案された検定方法の経験的サイズの検証と,既存の検定方法との検出力の比較をさまざまな構造を持つモデルに対して行った。その結果,本研究で提案された方法は,標本数が小さい時は経験的サイズが名目サイズに合わず,従来の検定法に比べて検出力が劣ることが明らかになった。しかし標本数が大きくなれば,サイズの狂いが減り,実用可能であることが分かった。 本研究の成果の詳しい内要は草稿としてまとめられており,現在はEconomic Studies Quarterlyに投稿中である。
|