Project/Area Number |
04630050
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊藤 武夫 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60018794)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 戦時石油統制 / 航空機燃料 / 人造石油工業 / アルコール専売事業 / 業界の三分化 / 海外資源開発 / 軍需 / 石油専売制 |
Research Abstract |
本研究は、1937年の日華事変を契機に本格化した戦時石油統制策とそのもとで進められた石油業の再編過程を、戦後の占領期までおも視野に入れて総合的に研究することである。研究は以下のように進めた。 第1は、日華事変後の商工省燃料局設置(1937〈昭和12〉年6月)から敗戦までの石油企業の統制・再編成、および石油専売制に至る石油統制策の諸特徴を解明することである。この課題では、日華事変後の液体燃料政策の最重点目標が石油製品の緊急確保と増産におかれ、したがって採掘業と精製業および販売業との統一した発展をはかるのではなく、上の政策目標に沿う方向でこれらが三分化され、それぞれ独自の再編成が遂行されることになったことを明らかにした。石油製品の緊急確保の政策ではアメリカ等からの緊急輸入、航空機燃料の増産、人造石油工業の振興などを軸に、従来、石油業史で余り詳細に触れられなかった大蔵省管轄のアルコール専売事業の開始とアルコール混用の実施、廃油再処理工場の建設奨励などを相互に関連づけて現実の政策効果が検証されなければならないことを、当時の石油市場と製品価格の分析をベースに置きつつ明らかにした。この業界の三分化とそれぞれの再編成は太平洋戦争期の1943年に一応の帰結を見るが、石油製品の軍需と民需の調整は敗戦までついに不成功に終わる。と同時に、この業界統制の在り様が戦後の占領期の業界再編をも規定した。 第2は、1920年代から敗戦までの石油業(採掘・精製・販売の各部門)の企業展開を具体的に追跡すること。この課題では日本石油株式会社の業容展開の再検討を中心に分析を進め、米国国立公文書館所蔵の戦略爆撃調査団の調査文書類により敗戦時の国内製油施設の生産力の到達点を把握する作業を進めた。今年度は米国から入手の資料整理に多くの時間を要し、ドイツの状況との比較を含め、次年度に分析は継続する。
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Report
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Research Products
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