Project/Area Number |
04630060
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高木 仁 明治大学, 商学部, 教授 (20061856)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 銀行業・商業分離原則 / 銀行・証券分離原則 / ファイアウォール |
Research Abstract |
わが国証券取引法第65条の銀行・証券分離原則は、アメリカのグラス=スティーガル法が母法である。この原則の見直しがわが国で問題されるに及び、アメリカでの同じ問題へ関係者が注目するようになった。 アメリカで銀行の非銀行業務参入は、実際には銀行持株会社(BHC)の子会社が行なうが、これは「銀行業・商業分離原則」、すなわち決済システムと関わる銀行業務と、子会社の非銀行業務の峻別に関わる問題である。 1993年銀行法は、アメリカで初めて銀行・証券分離(いわゆるグラス=スティーガル法)を定めたほか、あまり知られていないがBHC(当時はグループ・バンキングと呼ばれた)も初めて規制したのである。同法はグループ・バンキング内の系列取引に限度規制を加えたが、これが今日わが国で関心を集めている銀行・証券間の業務隔壁(ファイアウォール)の始点である。BHCの規制については1933年以降多くの動きがあったが、それらは1956年銀行持株会社法および1970年同改正法として結実した、特に後者においてBHCおよびBHC子会社が従事できる業務範囲が列挙され、いわゆる銀・証分離が具体的に明確化された。しかし、1970年法で定めた具体的な分離原則が十分でなくなっていくのは、1980年代に入ってからである。 1980年代になると、金融自由化したがって金融機関の業務同質化現象が広範になり、分離原則の見直しが各方面から要請された。銀・証分離の緩和については、法改正の作業が何回も行なわれたが連邦議会で成立に至らず、担当当局である連邦準備制度理事会(FRB)の行政措置で対応されている。その過程で、銀行業・商業分離原則を貫徹させる可能性を持つ、100%準備銀行と限定業務銀行の構想が関係者の関心を呼ぶようになり、研究成果の公表も法案提出も行なわれたが、まだ最終結果は得られていない。
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