Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 昌弘 名古屋大学, 教養部, 教授 (00027385)
小澤 正直 名古屋大学, 教養部, 助教授 (40126313)
長井 英生 名古屋大学, 教養部, 助教授 (70110848)
江尻 典雄 名古屋大学, 教養部, 助教授 (80145656)
大和 一夫 名古屋大学, 教養部, 助教授 (30022677)
|
Research Abstract |
研究代表者(佐藤)は,低い次元では,Lie変換がトウィスター理論と同一であることを発見し,一般次元で接触構造の上部構造としての,Lie接触構造を定義することができた.Lieの球面接触変換の等質多様体としての球面をモデルとしての,階数つきLie代数に付随する構造で,CR-構造との類似性をもつが,古典幾何の拡張としての特徴ももつ. この構造には,自然にCartan接続が構成され,同値問題を解くことが出来る.Lie接触構造の典型的な例として,共形多様体の単位接球束があげられる.共形多様体には古典的な共形接続が存在しているが,この場合のCartan接続は共形接続から自然な手段で構成されるものに等しいだろうという予想を,複雑な計算により示すことが出来た.したがって,この場合のLie接触構造のWeyl曲率も,共形曲率より求められることとなる. また,大和,江尻はリーマン幾何学を研究し,曲率テンソルによる局所等質空間の特徴付け,極小曲面とラプラシアンの固有関数との関係付けなどの重要な結果を得た。 長井はユークリド空間内である減価型ベルマン方程式の解の存在と一意性を証明し,対応する確率制御問題に応用した。 小沢は数学の量子力学への応用という分野において,精力的な研究を行い,特に物理量の同時測定に関する新しい不確定性原理の厳密な定式化と証明を与えるなど,画期的な結果を得て,理論物理学者に衝撃を与えた。 これらの研究は理論物理学と数学のさらなる交流,多様体の構造あるいは低次元多様体の位相の研究等に還元されていくことが期待される.
|