Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 徹 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50039278)
半田 賢司 佐賀大学, 理工学部, 助手 (10238214)
三苫 至 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40112289)
久保 雅弘 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205129)
小倉 幸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00037847)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
(1)準線形楕円型方程式に対する正値全域解の存在とそれらの漸近的挙動に関する研究は,近年非常に盛んで、単独方程式の場合にはかなり精密な結果が得られている.そして,その研究対象がシステムへと移ってきた.単独方程式の解の存在証明の一つの有力な方法に,優関数一劣関数法が知られている.本研究では,まず2階準線形楕円型方程式系に対する優関数一劣関数法を確立する事から始め,単独方程式に関して知られている結果を,自然な形でシステムに拡張できるかどうかについて考えた.従来,この種の方法は,非線形項に対する単調性の仮定の下でのみ扱われていたが,我々はその仮定を取り除く事に成功した.更に,未知関数の導関数に関する非線形項を含むような方程式系に対しても優関数一劣関数法適用できる事を示した.その結果,非有界領域における準線形楕円型方程式系の解の存在が分かるクラスが広がった.本研究では,特に一様有界な正値全域解,及び無限遠で0に減衰する正値全域解の存在のための十分条件を与えた.そこで得られた方法は高階方程式の研究にも有効で,その方向に対する今後の見通しを与えるものである.(2)非線形項が未知関数に関して特異性を持つ単独方程式に対する減衰する正値全域解の存在について,非常に単純な方法で示し,DalmassoやKusano-Swansonの結果を拡張し,無限遠で非負定数値に収束する正値全域解の存在を示した.(3)福岡大学蛯原教授,九州工業大学永井助教授との共同研究で,粘菌性媒質に関する方程式系の特異解の存在性について調べた.各研究分担者もそれぞれ次のような研究成果を得ている.(4)正の電極の回りに運動する電子が電極に触れる時刻の漸近挙動を,空間が曲がっている場合に調べた.(5)年齢構造を考慮した人口動態学の数学的モデルについて周期的な解の存在,一意性,安定性等を論じた.(6)無限次元空間上の超関数の基礎空間を提唱し,その微分構造をホッジ分解や確率微分方程式をとうして論じた.(7)実軸上のある種のフラクタルのハウスドルフ次元を,統計力学的量として記述・解析した.(8)実2次体の類数公式の算術的表示及び類群が2巾階数をもつ体の新しい特徴付けを与えた.(9)双曲型空間上の有限型閉曲線の分類問題を更に深めた.(10)リウヴィル多様体の講造を解明し,ランク1の場合の分類定理を得た.(11)リーマン空間上の種々の漸近的平均値定理の性質により空間を特徴づけた. それぞれの結果は国内外の学術雑誌に掲載されたか,掲載の予定である.
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