Project/Area Number |
04640321
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 滋 東北大学, 理学部, 助手 (20154750)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 重い電子系 / ウラン化合物 / 不純物ウラン系 / 不純物アンダーソン・モデル |
Research Abstract |
4f Ce系の重い電子系化合物では、重い電子の起源をsingle-siteの近藤効果に求めることで解釈は一到しており不純物Anderson Modelがこれら化合物の特徴的物性を記述するよい出発点となることが確立している。本研究は上記考え方の妥当性が未だ確立していない5f U系の重い電子系化合物を主な対象として、これらの系におけるsingle-siteの効果の低エネルギースピン揺動への寄与を評価し上記考え方の妥当性を実験的に検証することを目的としている。本研究により得られた成果は以下の通り。1.低温迄磁気秩序を示さないU系の重い電子系化合物の典型UAl_2の希薄不純物系の低温物性を、格子定数の大きく違う4種の母体(YAl_2、ScAl_2、及びこれらの合金系)を用いて研究した。その結果以下の点が明らかになった。(1)電気抵抗への磁気的寄与はいずれの母体に対しても近藤効果的振舞を示す。(2)低温で求めた電子比熱係数γ及び帯磁率χは、格子定数が高濃度系よりはるかに小さいScAl_2母体に対しても高濃度系より大きな値を示す。(3)母体の格子定数の増加につれγ,χは共に増加するが、その増加はCe系に比して極めて僅かである。またWilson比も必ずしも一定ではない。上記(2)の結果は高濃度格子系を不純物モデルに基づき理解する可能性を否定するかに見えるが、UAl_2ではU-U間距離が比較的小さいため5f同志のoverlapが無視できない可能性があり、ここで得られた結論を直ちにU化合物全般に一般化することはできないと考える。今後U-U間距離の大きい他の系で同様の実験が必要であろう。 2.低温迄磁気秩序を示さないU系の重い電子系化合物USn_3、U_3Au_3Sn_4のSn核NMRの1/T_1の温度変化を測定し、低温のFermi-liquid様振舞から高温の局在モーメント様振舞へのcross-overを見い出し、更にこのcross-overの特性温度が低温のγ,χに略々反比例することが明らかになった。これは上記物質でsingle-siteの効果が支配的であることを示すものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)