Project/Area Number |
04640330
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山本 郁夫 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (70126332)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1992: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 光散乱 / 高分子 / 相転移 |
Research Abstract |
1.高精度粒度分布測定装置の開発:高分子鎖のコイル・グロビュール転移を直接観測するには、高分子の大きさを正確に測定することが必要である。研究対象とした高分子の広がりは約100nmのオーダーである。しかも転移が一次であることを明確にするには、転移点でコイル状態とグロビュール状態が共存していることを確認することが必要である。この目的を達成するために、本研究では、レーザー光散乱強度測定による高精度粒度分布測定装置の開発を行った。本装置では、入射光の径をビーム拡大器を通して拡大し、試料の散乱体積を大きくとり、そして、前方散乱光は集光レンズを用いて焦点面上にリング状に配置された光検出器に集め検出した。これにより、散乱強度が小さい試料でも十分な精度を達成することができた。 2.試料作成と高分子半径の温度変化測定:N-isopropylacrylamideとacryl acidの共重合体からなる高分子溶液を作成し、上記の装置により、高分子半径の詳細な温度変化を転移温度を含む温度範囲で測定した。 その結果、溶液中の高分子鎖が,(組成に依存する)ある温度で急激に空間的に広がったランダムコイル状態から、より緊密なグロビュール状態へと遷移することが高分子半径の温度変化の測定結果より明かになったが、相境界点で2つの状態が共存するかどうかという点については、現在の時点では明確な結論を得ていない。この点を明らかにするには、より精密な温度制御下での実験を行う必要がある。 3.今後の課題:(1)精密温度制御下での実験。(2)転移にともなう弾性不安定性の観測。(3)スケーリング理論的考察。
|