静水圧印加で制御された励起子の自由-自己局在双安定性状態への遷移の機構とその動力学
Project/Area Number |
04640351
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯田 武 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 一郎 大阪市立大学, 理学部, 助手 (20212392)
唐沢 力 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90106336)
小松 晃雄 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047134)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 静水圧効果 / 自由励起子 / 自己束縛励起子 / 吸収端発光 / 二次光学過程 / 層状結晶 / 沃化アンチモン / 励起子-格子相互作用 |
Research Abstract |
1.静水圧下の強結合励起子-格子相互作用系における励起子の格子緩和、二次光学過程に現れるルミネッセンスのスペクトル形状、時間依存性の一般基礎理論方程式の準備が整い、理論的なより詳細な詰めは必要ではあるが、具体的な系での諸パラメターが得られ次第、シュミレーション計算の実行できる段階に達した。また、圧力印加により新たな吸収線群の発現が見られ、これを積層欠陥領域の励起子の低次元に閉じ込めモデルに基づき、吸収線強度等の理論計算を行い実験結果を説明した。 2.ダイヤモンドアンビルセルを用いてゾーン精製した良好なSbI_3単結晶に対して静水圧を印加し、自由励起子-自己束縛励起子の双安定性を変化させて吸収端発光、励起子の自己束縛状態からの赤外発光の圧力依存性を調べた。圧力を印加するにつれて自己束縛状態からの赤外発光の強度は弱くなり、それと相補的に吸収端発光の強度が増大した。この結果と吸収端励起子尾部のスペクトルの圧力依存性の解析、励起子遷移エネルギーの負の大きな圧力係数の値の結果から、自由-自己局在双安定性状態への遷移の機構は、主として圧力下での励起子バンド幅の増大による励起子-格子相互作用の減少効果によることが明かになった。 3.静水圧印加下で光散乱スペクトルを観測し、結晶格子の変化の様子を調べた。メタル-よう素間の結合力を直接反映しているAg4モードの振動数は通常観測される傾向とは異なり、圧力の増加とともに減少した。これは分子内結合力の共有性が減少し、イオン性が増大する結果を示唆している。これにともなって電子構造の変化が生じ、それは共鳴光散乱の測定から原理的には確かめられる。しかし、圧力誘起の吸収線群の発現によりそれらの強い共鳴発光が現れ、相対的に薇弱な散乱線は観測が困難であった。このため現在のところ緩和の動力学を知るに至っていない。今後、これを実験的に克服して継続してこの点の研究を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)