新Pd(dmit)_2錯体超伝導体のホール効果と熱起電力
Project/Area Number |
04640432
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 昭子 東京大学, 理学部, 助手 (50011705)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 金属錯体超伝導体 / 電気伝導度 / ホール効果 / 熱起電力 / 分子性金属超伝導体 / dmit錯体 |
Research Abstract |
β-[(CH_3)_4N][Pd(dmit)_2]_2は最初のπアクセプター高圧超伝導体となった[(CH_3)_4N][Ni(dmit)_2]_2とほぼ同型の構造を持ちPd(dmit)_2が立体交差した二本の一次元カラム構造を形成する。但しPd(dmit)_2塩の場合は一次元的に積相したPd(dmit)_2分子がダイマー構造を取る特徴がある。高圧下での伝導度の測定を行ったところ4kbar以上の圧力をかけると金属-絶縁体転移がはっきり現れ、6kbar以上にすると超伝導転移が観測された。超伝導転移温度は6.2k(6.5kbar)であった。最近のPd(dmit)_2塩の反射スペクトルの研究によりダイマー構造を取るPd塩の場合HOMO、 LUMOの軌道がスプリットしてHOMO^-がLUMO^+より上になりNi塩ではLUMO^+が伝導性バンドを形成していたがPd塩ではHOMO^-が伝導性バンドを形成することが解ってきた。 高圧下ではダイマー性が弱くなりNi塩と同様LUMO^+が伝導性を担う可能性が強く、従って高圧下で HOMOからLUMOへと伝導性バンドを形成する軌道の変化が生じる可能性があると予想される。この系では反射スペクトルの10000cm^<-1>付近に強い遷移が観測され常圧下で確かにHOMO^-が伝導性バンドを形成していることを以前明らかにした。高圧下での電気伝導度及び熱起電力やホール係数の測定を試み、伝導度を担うキャリアーの符号を調べHOMO-LUMO転移の可能性を調べることがこの研究の目的である。そのため高圧電気伝導度,熱起電力、ホール係数の測定のための装置を試作した。二つの銅ブロックをエポキシ基板に固定し両ブロックにサンプルを橋渡しして金ペイントで固定したサンプルの両端の電位差をはかった。結晶への加圧はクランプ式圧力発生装置をもちい、高圧セルにニクロム線をまき温度コントロールをおこなった。現在予備測定に成功し、自動測定を行うためのプログラムを製作中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)