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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
3次と4次周波数依存超分極率を精度高く共鳴周波数近傍まで計算することのできる方法を開発した.周波数依存性の計算のためには,光学的に許容な励起状態の遷移エネルギーを精度良く計算できることと同時にその遷移(振動子)強度の妥当な見積が要求される. 非経験的分子軌道法に基づく配置間相互作用(Cl)法はこれら二つの要請を一応満たしているが,実用的には問題があった。それはCl法では解かなければならない行列固有値問題の次元が非常に大きくなってしまうことである。超分極率の計算にはこの行列固有値問題のすベての固有値とそのベクトルが,振動子強度の「和の規則」を近似的に成立させるために必要となる. 行列の次元が10の4乗を越えると現在の計算機でも不可能な計算となる.そのため,従来は摂動法やcoupled Hartree-Fock法など,励起エネルギーの計算には不十分な精度しかない方法が用いられてきた.本研究で開発した方法では,行列の固有値問題を直接には解かないで,各周波数ごとに連立方程式を解くことによって,実際上すベての固有値からの寄与を含めることができる。 さらに,射影演算子法を併用することによって,固有値とそのベクトルが解けている低いエネルギー状態に対してはその共鳴エネルギー近傍まで発散の困難なく周波数依存分極率を計算できる.簡単な分子に対しては,大きな基底関数を使い,従来から開発してきたMOLYX-QDCIプログラムによって大次元Cl計算を行い,精度の高い2次と3次の分極率を計算した. さらに,新たに実用的に興味のある芳香族炭化水素の置換体やポリエンの置換体・錯体の計算のために,沢山の基底関数の場合に効率よく一電子励起Cl計算を実行するアルゴリズムの開発とプログラムの作成を行った。 これらを実現するために,研究室のワークステーションのネットワークを完備させた。
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