シュタルクビート分光法による電子励起状態の電気双極子モーメントの測定
Project/Area Number |
04640465
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 信廣 北海道大学, 工学部, 助教授 (70113529)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | シュタルクビート / 電気双極子モーメント / 電子励起分子 / 超音速ビーム / 蛍光 |
Research Abstract |
本研究は、レーザー光の持つコヒーレントな性質を利用した量子ビート分光法とシュタルク効果の組み合わせからなる高分解能分光法(いわゆるシュタルクビート分光法)を用いて電子励起状態における分子の電気双極子モーメントの精密測定を行うことが目的である。その為には分子の個々の電子振動回転準位を励起し、外部電場の関数として蛍光減衰曲線を測定する必要がある。そこで超音速ビーム発生装置を改良し透明電極を取付けた。この平行、平面電極の中心を分子ビームおよびレーザービームが交差するように配置し、透明電極を通過する蛍光を電場の関数として測定できるように実験装置を改良した。この実験系を用いて代表的な三原子分子であり環境問題からもその光化学反応が重要視されている二酸化硫黄および代表的なアザ芳香族分子であるピリミジンの電子励起状態における電気双極子モーメントの測定を試みた。また観測されるシュタルクビートの帰属を明らかにするために、励起光および観測光の偏光方向を色々変えて測定を行った。その結果二酸化硫黄のA^1A_2←X^1A_1遷移のクレメンテのEレターバンドと呼ばれている振電バンドの^rR_0(0)回転線励起で得られるシュタルクビートから励起状態での電気双極子モーメントは2.66デバイと求められた。この値は基底電子状態での値(1.633デバイ)よりもはるかに大きい。またピリミジンのS_1←S_0遷移の0-0バンドのR(0)およびR(1)回転線を励起して得られたシュタルクビートからこの分子のS_1励起状態での電気双極子モーメントは、0.58デバイと得られ基底状態での値よりもはるかに小さいことがわかった。これはこの吸収がπ^*←n遷移であることと対応する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)