Project/Area Number |
04640466
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安積 徹 東北大学, 理学部, 教授 (90013490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 公憲 東北大学, 理学部, 助手 (70229300)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 閉殻電子状態 / 錯体 / 混合配位子錯体 / 三重項 / スピン副準位 / 亜鉛 / カドミウム / フェナントロリン |
Research Abstract |
閉殻電子構造をもつ金属イオン(たとえば2価の亜鉛)の錯体は、d電子のイオン化ポテンシャルが高いことからも理解できるようにd電子の寄与はほとんどないということが常識となっていた。しかし、近年、色のついた亜鉛の錯体が合成されたことから、亜鉛のd電子と配位子のπ電子とのd-π相互作用の可能性についての議論が高まってきた。本研究は、この問題を三重項スピン副準位の立場から研究したものである。大きく分けて2つの種類の錯体について研究し、以下に要約するような成果を得た。 (1)亜鉛(II)の混合配位子錯体 Zn(NN)(SS)という一般式で表わされる混合配位子錯体について研究した。ここで(NN)はビピリジンやフェナントロリンのような2つのN原子をもっている配位子であり、(SS)はチオール分子2個を示す。この種の錯体は、(NN)から(SS)への電荷移動状態が存在し、そのために黄色に着色している。このような電荷移動状態と(NN)局在の励起状態の両方について、三重項スピン副準位について研究した。いずれについても、中心金属イオンのd軌道の寄与はないことが明らかとなった。 (2)亜鉛(II)のフェナントロリン-ハロゲン混合配位子錯体 この種の錯体は上述したような電荷移動状態は存在しないので、フェナントロリン局在の励起状態について研究した。フェナントロリン局在といっても、三重項スピン副準位の性質はハロゲンのp軌道の寄与を大きく受け、また、亜鉛のd軌道の影響は全くないことが明らかとなった。また、カドニウム(II)の錯体についても同様の結論を得た。
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