Project/Area Number |
04640514
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機化学一般
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 啓介 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90162940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (70212222)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジルコノセン錯体 / カチオン / カルボニル付加 / ルイス酸 / シクロプロパン / シクロブタン / シクロブテン / 過塩素酸銀 |
Research Abstract |
1-アルキンのヒドロジルコニウム化で得られるアルケニルジルコノセン錯体は、従来、求核性に乏しく、カルボニル化合物との反応は極めて遅いとされてきた。しかし、この反応を触媒量の過塩素酸銀の存在下で行うと、著しく付加速度が速くなり、高収率で対応する付加体を与えることが分った。わずか1モル%程度の銀塩で十分な加速が起こる。発生するカチオン型錯体がカルボニル基の効果的に活性化するためと考えられる。なお、この加速効果は、対応するアルキル錯体にも見られた。この反応をプロパルギルシランに適用すると、付加に続き1、4脱離が起こり、共役ジエンを与える。1、4脱離の段階でも過塩素酸塩の存在が必要である。さらに、市販のアルコキシアセチレン類にこの反応を適用すると、アルデヒドの2炭素、4炭素ホモロゲーションが容易に行えることも分った。 さらに、NbCl_5がルイス酸として極めて特異な反応性を示すことが分った。すなわち、NbCl_5の在存下ではアリルシランとアルデヒドとが2:1の化学量論で反応し、シクロプロパン体を与えた。この異常反応は、(1)1当量目の付加に続いて、ニオブの高い酸素親和性によりニオブオキシドの脱離とホモアリル型の隣接基関与が起こる、(2)カチオニックな化学種の異性化が起こった後、最も寄与の大きい2級のシクロプロピルカルビニル種で2当量目のアリルシランの捕捉が起きる、という経路によることが分った。この反応はシクロプロパンのα位の強力なカチオン安定化効果を如実に示したものと言える。 さらにこの知見を合成的に生かすことを検討した結果、ビニルシクロプロパンがカルボニル-エン反応において極めて高い反応性を有することを明らかにし、さらに新しいシクロブタン、シクロブテンの合成法を確立することに成功した。
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