全内部反射分光法による固一液界面での深さ方向に関する化学種の溶存状態の研究
Project/Area Number |
04640553
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分析・地球化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樋上 照男 大阪大学, 理学部, 助手 (50143821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文珠四郎 秀昭 大阪大学, 理学部, 助手 (80191071)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 反射分光法 / 内部反射 / 固一液界面 / 吸着 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
底面で試料溶液と接する半円筒形プリズムを有する特殊なセルを作製し、これを回転ステージに設置して入射角を細かく変えながら反射率を測定した。まずはじめに光源としてHe-Neレーザ(波長633nm)を用いブリリアントブルー色素水溶液とBK7ガラスの界面を検討した。その結果、実測の入射角-反射率曲線は溶液とガラスから成る2相系の理論的な入射角-反射率曲線とよく一致し、色素が溶液-ガラス界面においても溶液中と同様な状態で分布していることが確かめられた。しかし、この結論は用いた測定法の空間分解能よりも薄い界面領域においては適用できない。どの程度の分解能かについては検討しているが、少なくとも10nm以下である。次にメチレンブルー水溶液-ガラス界面を検討した。得られた入射角-反射率曲線は2相系のどのような理論的曲線とも一致せず、メチレンブルーが溶液-ガラス界面で吸着していることが確かめられた。ガラス-吸着〓-溶液の3相系の理論的曲線を試行錯誤的に検討したが、吸着〓の光学定数を正確に評価することが困難であるため定量的な結論にまで到達していない。さらに、メチレンブルー水溶液に各種カチオン性およびアニオン性界面活性剤を添加したところ、カチオン性のものは吸着を抑制し、アニオン性のものは吸着を促進させることが見い出された。アニオン性の促進の効果はアルキル鎖の長さに依存し、炭素数12以上で顕著な促進効果が現われた。カチオン性の抑制効果は、これがカチオンであるメチレンブルーよりも撰択的にガラスに吸着することが原因と考えられ、一方アニオン性の促進効果は、これがメチレンブルーとイオン対形成をおこして界面に強く吸着した結果であると考察される。現在、吸着〓の可視スペクトル測定のために小型分光器を利用した内部反射分光光度計を作製するとともに、反射率の理論式の分析化学的に有効な表示および解釈を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
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