Project/Area Number |
04640563
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分析・地球化学
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
日下部 慧 東京理科大学, 理学部, 講師 (90084318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 達也 東京理科大学, 理学部, 教授 (30087340)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 非水溶液中での酸・塩基反応 / p‐ニトロフェノールの紫外吸収スペクトル / 水素結合錯体 / テトラブチルアンモニウム塩 / トリエチルアミン |
Research Abstract |
本研究の申請にあたっては平衡の定量的な解析を目指したが、その後の検討で現象のより包括的な理解が必要であることが解り、本年度な1,2‐ジクロロエタン溶液中でのフェノール類の挙動を定性的に解明することに主眼をおいて研究を行い、次の事柄を見出した。 1.p‐ニトロフェノールの溶液にテトラブチルアンモニウム酢酸塩あるいはトリクロロ酢酸塩を加えると、水が少ないと一時的に全てのp‐ニロフェノールがイオン化し、次いでゆっくりと水素結合錯体に変化するが、水の濃度が高いと水素結合錯体への変化はより遅くなる。p‐ニトロフェノール以外の5種類の置換フェノールについても同様な結果が得られた。これらの変化はフェノール類のpKaおよび添加した陰イオンの共役酸の強さに関連し、またこの時酢酸イオンが共存する水と反応して定量的に遊離の酢酸に変化することをカルボン酸のCO伸縮振動の変化から確認した(平成4年11月第15回溶液化学シンポジウムで発表)。このことは、これまで得られてきたイオン対抽出平衡について再検討を要することを示唆する重要な発見であった。 2.p‐ニトロフェノール溶液にトリエチルアミンを加えると、水素結合錯体とイオン対が同時に生成することは既に報告されているが、トリエチルアミンが小過剰の場合には、水が高濃度なほど水素結合錯体の比率が高くなり、トリエチルアミンが大過剰の溶液では、逆にイオン性のp‐ニトロフェノールの比率が増大することを見いだした(平成5年6月の第54回分析化学討論会で発表予定)。 今後、上記2の平衡における水の影響ををまず定量的に解明し、その結果に基づいて、所期の課題である共存塩の影響についての検討を進めることにしている。
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