三重立方体型酸化物クラスターの立方体単位増減反応と新型クラスターの合成
Project/Area Number |
04640588
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機・錯塩・放射化学
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
磯辺 清 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (70101285)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 三重立体体型 / 複合配列 / 酸化物クラスター / C-S結合切断反応 |
Research Abstract |
近年、我々のグループでRhCp^*基(RhCp^*=C_5Me_5)を持つモリブデン酸化物クラスター、([RhCp^*)_4(MoO_4)_4])1を合成した。1は面共有した並列の三重立方体型の構造をしており、分子内にRh(III)、Mo(VI)の異なる金属イオンを含み、しかも反応活性な三種類のMo-O結合を持つ。本研究は、この様な混合金属多中心の複合配列に基ずく特異な反応性の開発を目的とした。1はp-hydroquinoneの存在下メタノールと反応して、トリスホモキュバン型の[(RhCp^*)_2Mo_3O_9(MeO)_4]2をあたえる。2のMeO基のC-H結合、C-O結合の切断は起こり易く、溶液中、あるいは固体の熱分解反応によりホルムアルデヒド、ジメチルエーテル、メチルホルメートが生成する。これらの生成は、MeO基とM-O結合の立体化学と密接に関係することが分かった。その他アセトンの生成が見られるが、現在その生成機構に関して検討しているところである。一方、メルカプタンとの反応では酸化物クラスターの立方骨格は壊れ、以下に示す三種類のRh_2Mo_2四核クラスター、[(RhCp^*)_2Mo_2O_5(μ-SMe)_63、[(RhCp^*)_2Mo_2O_4(μ-SMe)_6]4、[(RhCp^*)_2Mo_2O_3S(μ-SMe)_6]5が、更には[(RhCp^*)_2)μ-SMe)_3]_2[Mo_6O_<19>]6、[(RhCp^*)_2(μ-SMe)_3]_4[Mo_8O_<26>]7のポリ酸イオンが生成する。これらの生成物は反応モル比等の条件をかえることにより選択的に得られる。5の架橋S原子はメルカプタンからきたもであり、C-S結合切断反応が非常に温和な条件下で起こることは興味深い。おそらくMoおよびRhの両方の金属がこのC-S結合切断反応に関与しているとかんがえられる。本研究で1とメタノール及びメルカプタンとの反応及びクラスターの生成とその構造について明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)