不均質環境での最適パッチ選択による寄主ー寄生蜂系の共存安定化の実験・モデル解析
Project/Area Number |
04640605
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 正和 東京大学, 教養学部, 助教授 (40178950)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | パッチ状環境 / 寄主ー寄生蜂系 / 共存安定化 / 密度依存性 / Callosobruchus chinensis / Zabrotes subfaciatus / Anisopteromalus calandrae / Heterospilus prosopidis |
Research Abstract |
寄主マメゾウムシと寄生蜂からなる実験系を対象に、豆をパッチ状に与えた時、マメゾウムシのパッチ選択とそれに寄生する蜂のパッチ選択とが、両種個体群の共存安定性に与える影響を調べた。寄主は、一様に卵を分布するアズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)と塊状分布するブラジルマメゾウムシ(Zabrotes subfaciatus)を用い、寄生蜂は、寄生効率が豆当りの寄主密度に依存するコガネコバチ(Anisopteromalus calandrae)と、依存せず一定しているコマユバチ(Heterospilus prosopidis)を用いた。 まず、アズキを16の小パッチに分割した系と、分けずに大きな1パッチにまとめた系とで、アズキゾウムシーコガネコバチ系の個体群動態を比較したところ、両個体群動態はパッチ分割の影響による差異をほとんど示さなかった。これはコバネコバチの寄生効率がそれほど高くないため、両種個体群密度が低いレベルに落ちなかったためと思われる。しかし、2種の寄生蜂を同時に導入した系では、アズキゾウムシはしばしば極低密度になり、そのときにコガネコバチが寄生に失敗して消減する傾向があった。16分割の系では、寄生蜂の個体数が低下したとき寄主が寄生を免れやすいので、寄生密度がより高いレベルに維持され、構成種の共存が促進される可能性がある。16分割系での寄生蜂2種導入は現在準備中である。 さらに、ブラジルマメゾウムシでは極端に集中した産卵分布になることが確認された。このため小パッチに分割しない系でも豆によっては寄主密度の高低の変異が生じるので、寄主がパッチ状に分かれているのと同じ効果になる。ブラジルマメゾウムシー寄生蜂系を現在準備中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)