Project/Area Number |
04640627
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松浦 克美 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30181689)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 光合成細菌 / クロロソーム / 色素集合 / クロロフィル / 光エネルギー / 太陽エネルギー |
Research Abstract |
クロロソームは、緑色イオウ細菌と緑色糸状性細菌に含まれる光合成光捕集のための色素集合体で、細胞膜の細胞質側に付着している。バクテリオクロロフィルcがその主要な色素であり、クロロソーム内の色素の基本構造には、タンパク質が直接は関与していないという考えが有力になってきた。このことをはっきりさせ、クロロソームの構造と機能の特微を明らかにするために、クロロソームの解体と再構成をおこなった。 緑色イオウ細菌Chlorobium limicolaから単離したクロロソームから、クロロフォルム/メタノール/水(1:1:2)で色素と脂質を抽出し、その濃縮液を水溶液中に混合すると、溶解せず自己集合体を形成した。この自己集合体は、その大きさ、形、吸収スペクトル、蛍光スペクトルのいずれにおいても元のクロロソームをよく再現していた。さらに、ポリアクリルアミドゲル中でその色素脂質集合体を配向させ、直線二色性を測定すると、バクテリオクロロフィルcの近赤外部の遷移モーメントの方向は、楕円状をした集合体の長軸方向と良く一致していた。この性質は、色素集合の基本構造や高いエネルギー移動効率に直接かかわる重要な性質と考えられた。 作成した色素脂質集合体には、タンパク質は、まったく含まれていなかった。また、抽出物に含まれている両親媒性の糖脂質の存在は、クロロソーム様構造の再現に不可欠であった。バクテリオクロロフィルcには、結合した炭化水素鎖の長さの違う複数の同族体が含まれるが、その混在も必要であることが示唆された。 これらの結果から、以下のクロロソームの基本構造モデルを作成した。多数のバクテリオクロロフィルc分子が炭化水素鎖を内側にポルフィリン環を外側にした円柱状のミセルを形成している。そのような円柱状ミセルの数個の束が、一重の両親媒性の脂質で囲まれて、クロロソームの基本構造となっている。
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