Project/Area Number |
04640629
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理学
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
三村 徹郎 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (20174120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 悦雄 姫路工業大学, 理学部, 助手 (80212299)
新免 輝男 姫路工業大学, 理学部, 教授 (80114510)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | アポプラスト / イオン代謝 / 液胞 / 液胞膜 / 大麦 / 細胞質 / 細胞膜 / リン酸 |
Research Abstract |
各種無機イオンは、植物体内で極めて多様な役割を果たしているが、その機能を維持するために、体内濃度が巌密に維持されていると予想されている。我々は、無機リン酸イオンに注目し、大麦を用いて、リン酸の組織・細胞内分布、原形質膜・液胞膜のリン酸輸送能を測定してきた。大麦葉肉細胞では、細胞内に蓄積しているリン酸の大半は液胞内に存在し、細胞質中のリン酸濃度は、液胞のリン酸量を変動させることで一定に調節されていた。また、それぞれの膜輸送能がリン酸の細胞内状態に応じて変動することを見いだし、この輸送能の変化が細胞質濃度調節機構の主要因として働いているものと予想してきた。さらに、in vivo環境を明らかにする目的で、葉アポプラストのリン酸濃度を測定したところ、細胞外のリン酸濃度も一定に維持されていることを見いだした。こうして植物体においては細胞外アポプラスト、細胞質、液胞の三つのコンパートメントが、それぞれをしきる細胞膜、液胞膜の輸送活性の調節を通じて相互に関わりあっているものと考えられる様になってきた。本年度はこれまでの研究結果を基礎に、各コンパートメントのリン酸濃度が、成長に応じてどの様に変動しているかを詳細に検討し、植物体全体のリン酸ホメオスタシスにおいて、液胞が最も重要な役割を果たしていることを実証することができた。また、各コンパートメントのタンパク質組成を検討することでリン酸代謝と関連して変動するタンパク質分子の同定を行なった。現在アポプラストにおいて、リン酸栄養条件に応じて顕著に変動するタンパン質を複数個確認することができ、その同定を進めている。また、大麦葉組織から、cDNAライブラリーを作製することにも成功した。リン酸栄養条件に応じて変動するタンパク質分子の遺伝子同定を進めることで、大麦葉肉細胞のリン酸イオン濃度認識機構を分子レベルで明らかにする実験系の開発が可能になりつつある。
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