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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
アルム亜連各属(Eminiumを除く)の代表的植物12種から葉緑体DNAを抽出し、20酵素についてDNA切断断片の電気泳動を行った。これにOncidium excavatumから調整したプローブをサザンハイブリダイズし得られたバンドから切断断片のサイズを求めた。この結果を基にPAUPのワグナーパーシモニープログラムを用いて系統樹を描いた。またその信頼度をブートストラップ法により確かめた。この結果近縁度の低い部分については信頼度の高い関係が得られなかったが近縁度の高い部分については高い信頼度で二つの単系統群が認められた。これら二つの単系統群は邑田(1990)が地下茎のシュート構成に基づいて認めた群に対応しており、この結果を支持するものであった。この研究結果はすでに論文で発表した。さらに中国産のリュウキュウハンゲ属植物について新たにシュート構成や染色体数を調べたほか主要なハーバリウムの標本を用いて形態形質の検討を行いこれらの形質を分岐分類学的に解析して属間の系統関係を求めた。この結果従来のリュウキュウハンゲ属は単系統ではなく、以下の4群に分割する必要がある。第一は狭義のリュウキュウハンゲ属Typhoniumで、ほこ型の葉身、基本染色体数X=8および9、地下茎タイプDで特徴づけられ、Theliophonumと近縁と考えられる。第2は鳥脚状の葉身、雄花群の上の退化花、基本染色体数X=13、地下茎タイプC、で特徴づけられるもので命名上はHeterostalisに当る。第三はTyphonium hirsutumからなる単系群で植物体に毛が密生することで特徴づけられる。第四はTyphonium giganteumで、基本染色体数X=13、地下茎タイプBで特徴づけられBiarumおよびSauromatum属と同一とみるのが適当と考えられる。アルム亜連は系統的にArum,Dracunculus,Helicodicerous,Eminiumを含むヨーロッパ群とTyphonium,Sauromatum,Heterostalis,Theliophonum,Lazarumを含むアジア群に大別するのが妥当と考えられる。
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