Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
今年度は,南西諸島,東北地方北部などからトチカガミ科Halophila,ベニアマモ科Halodule(マツバウミジグサ)の雄花,ヒルムシロ科Ruppiaの花と果実を採集し,液浸標本を作成した。これまで採集された試料は合わせて10科14属となった。これまでにホロムイソウ科Scheuchzeria(ホロムイソウ),シバナ科Triglochin(シバナ・ホソバノシバナ),トチカガミ科Halophila(ウミヒルモ),Enhalus(ウミショウブ),ヒルムシロ科Potamogeton(ヒルムシロほか),Ruppia,アマモ科Zostera(アマモほか),Phyllospadix(スガモ・エビアマモ),ホンゴウソウ科Sciaphila(ウエマツソウ),ベニアマモ科Halodule(マツバウミジグサ),の花序と花の連続切片作成してその維管束走向を明らかにした。その結果,たとえばScheuchzeria,Triglochinはこれまでの報告に一致し,1個の花とみなされる構造は花序に起源することが確認でき,一方Sciaphilaの花被は維管束走向からは6個が輪生し,Triglochinなどとは基本構造が異なることが明らかになった。昨年度来の成果の一部(アマモ科の種皮構造)は1993年に国際植物科学会議と連携して行われた,「小湊国際海岸ワークショップ1993」(会場:千葉大学理学部付属小湊臨海実験場)において口頭発表(Omori Y.:Seed coat anatomy of subgenus Zostera.)した。今後は維管束走向に加え,走査型電子顕微鏡によって発生段階を観察して花と花序の構造を解析するとともに,種皮の表面と断面の構造を解剖学的に明らかにし,表皮構造の相違を比較発生学的に検討したい。各属の花と花序,種皮の形態の比較から,属と科の特徴を明らかにして相互の類縁性を考察し,さらに科間の比較を行い,周辺分類群のこれまでの知見を加えて花と種皮からみたオモダカ上目の系統を推定する予定である。
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