Project/Area Number |
04640658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物発生・生理学
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
酒井 正樹 岡山大学, 理学部, 助教授 (30027502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 恒夫 岡山大学, 理学部, 教授 (60000816)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 昆虫 / コオロギ / 死にまね / 動物催眼 / 神経 |
Research Abstract |
我々は死にまね行動が、フタホシコオロギでもおこることをみいだし、行動学的、解剖学的、生理学的に分析をおこなった。この行動は胸部側面の圧迫により、反射的にひきおこされる現象で、体各部が強く屈曲硬直し、その間、著しい呼吸低下がおこる。また、個体によって硬直の程度に違いがあり、強い硬直のもつほど呼吸が少なく、刺激に対する感覚応答性も低い。この死にまねが維持されるには食道下神経節が不可欠である。本研究では、これらの知見をもとに、死にまねの神経機構を解明すべく、死にまね中の神経活動を吸引電極を用いて記録し、また、神経切断およびバックフィル染色によって、死にまねをひきおこす感覚ニューロンの検索を行った。その結果、死にまねの神経活動の記録では、尾葉からの音刺激(500Hz)に応答する上行性感覚介在ニューロンのうち、とくに大型スパイクの頻度が減少していた。また、脳と食道下神経節からの下行性ニューロンはごく少数のものを除いて、スパイク活動が停止していることがわかった。さらに、後肢腿節、けい節、ふ節を支配する運動ニューロンでも、多くのニューロンの活動が停止した。また、胸部の圧迫に対して応答すると思われる圧受容ニューロンが胸部神経節の神経束上に見いだされた。ここで調べた死にまねは、コオロギが捕食者に追い立てられ、狭所にもぐり込んだ時、胸部が圧迫されることでおこり、不動状態によって捕食者の目をくらますと考えられたが、野外で観察したところ、事実、れき地に住み、穴居性のフタホシコオロギでは死にまね状態が顕著におこった。一方、草地に住み、ジャンプや走行能力にたけたエンマコオロギでは、死にまねがおこりにくいことがわかった。このことは、死にまねが生息環境に応じた適応行動であることを物語っている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)