発情周期に伴うマウス子宮内プロテアーゼ活性の変動とその生理作用
Project/Area Number |
04640685
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物形態・分類学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
守 隆夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011659)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | マウス / 子宮 / 卵巣 / プロテアーゼ / プロリル・エンドペプチダーゼ / ディペプチジル・ペプチターゼ |
Research Abstract |
プロリン-X結合を特異的に切断するプロリル・エンドペプチダーゼとディペプチジル・ペプチダーゼルは、哺乳類に脳、肝臓などいくつかの器官に存在することが知られている。これらの酵素はオキシトシン、バソプレシン、P物質等のホルモンや神経分泌物質の脱活性化に働くと考えられているが、未端の組織での実際の生理的役割はほとんどわかっていなかった。以前、卵巣のプロリル・エンドペプチダーゼ活性を測定したところ非常に高いことがわかったので、生殖機能との関連に着目し、発情周期の各時期におけるマウスを用いて卵巣と子宮の酵素活性の変動を調べた。その結果、プロリル・エンドペプチダーゼの活性は発情期に高く、非発情期に低いことが分かった。また、去勢マウスを用いた実験から、子宮における酵素活性はエストロゲンとプロゲステロンにより上昇することも明らかになった。一方、ディペプチジル ペプチダーゼルの活性は子宮において発情期に低く、非発情期に高いことも明らかになり、さらに去勢マウスではエストロゲンにより活性の低下が起こることも分った。特にプロリル・エンドペプチダーゼが作用するといわれるオキシトシンは、子宮において分娩時に胎児を押し出すため平滑筋細胞の収縮を引き起こすことが知られている。すなわち分娩終了後、子宮の収縮を直ちに中止することが、この酵素の役割と考えられる。 これらの結果は、これまで主として脳で調べられていたこれら酵素の作用を、末端の組織で確かめ、より正しい理解に達するのに有益である。なお、現在は酵素の分布を免疫組織化学的に検討中で、その結果によりさらに詳しい、これら酵素の子宮、卵巣での生理作用が解明されると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)