Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
レーザは溶融もしくは昇華によって材料を除去する加工法であるが,微小領域に高エネルギーを加えることから,熱応力による微小クラックの生成,材料の変質,熱膨張やエッジのダレによる加工精度の低下などの問題を生じる.これらの問題を解決するためには,レーザ照射領域の正確な温度分布を知ることがもっとも基本となる.ところが,短時間で数千度の高温に達することから,熱電対での測定は不可能であり,また従来の赤外線輻射温度計では直径数十μの微小領域の温度を精度よく測定することはむずかしい.さらに,加工材料の状態が固体から液体,もしくは気体へと変化する状態では輻射率の変動が大きく,エネルギー型輻射温度計では正確な温度測定ができない.これらの問題点を克服できる新しい温度計を製作するのが本研究の大きな目的となっている. 本年度は温度計の設計製作に重点をおいて研究を行ってきた.まず,熱輻射理論を用いることにより,赤外線エネルギーの波長分布,光電変換素子の分光感度特性,赤外線フィルタの分光透過特性,光ファイバの分光伝送特性などを検討し,温度計の基本構造を決定した.また,使用する光電変換素子の応答速度を十分活かしうる周波数特性を持つ増幅回路の設計も同時に行った.次に,本研究補助金により,温度計を製作し,実際にレーザ照射部の温度測定に適用してみた.試行錯誤の結果,先に述べた種々の問題点を十分な精度で克服し,レーザ照射部のフラッシュ温度測定に適用できる温度計を試作するところまで到達することができた.今後は,この温度計を主体にリアルタイムで測定結果を解析して温度表示ができるとともに,レーザ照射が材料強度に及ぼす影響を評価できるシステムを作っていくことにしている.
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