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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究では、 制振の目的で長方形水槽が取り付けられた構造物が容器の水平方向に正弦外力を受ける場合,スロッシングにより容器壁に作用する流体力の非線形性を考慮して,構造物と水面の正弦波応答,および制振器としての効果について理論的,実験的に調べた.実験では,片持ち梁の先端に質量を取り付けた系を構造物とし,その先端に長方形水槽を取り付けた実験装置を製作した.構造物の加振には,正弦波発生器(現有設備)からパワーアンプ(B&K,2706型)を介して加振器(B&K,4809型)を使用した.構造物の変位は,レーザー式変化センサ(キーエンス,LX2‐03,LX2‐60)により測定した.また,波形の記録装置として,オムニライト(日本電気三栄,8M37)を用いた.以下に,主な成果をまとめる. (1)構造物とスロッシングの非線形連成振動に関する理論解析と基礎となるモード方程式が得られた. (2)そのモード方程式の数値シミュレーションより発生振動数成分を調べ,その結果を用いて調和振動に対する定常解を求め,その安定性の解析を行い,共振曲線を示した.その共振曲線は,数値シミュレーションとよく一致する. (3)長方形水槽は,構造物とスロッシングの同調点における構造物の振幅を十分に小さくする効果をもつ. (4)構造物の共振曲線の形状は水深に依存して変化し,深いときに漸軟形,浅いときに漸硬形となる. (5)正弦外力が比較的大きい場合,同調点付近において,系の2つの固有振動数にほぼ等しい振動数成分が同時に現れる様式をもつ超和差調波振動が発生する. (6)実験により,理論結果と実験結果は定量的にほぼ一致することを確認し,理論解析の妥当性が確かめられた.
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