Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
セラミック系高温超電導体は,焼結体であるため線材化が困難であることから,バルク材としての利用が適している。我々は従来よりこの点に着目し,モータの回転子に超電導バルク材を用いた超電導モータを開発してきた。本研究では超電導材質を変えることにより,モータの特性を実験的に検討するとともに,回転原理の解明および特性の向上を計る。また,モータに必要な低温環境を利用するために,超電導磁気軸受を導入し,その特性も合わせて調べた。まず,既に設計し製作した,三相交流超電導モータの基本特性をロータの超電導バルク材にタリウム系超電導体と,ビスマス系超電導体を用い,各々の特性をアルミ材の場合と比較して検討した。さらに,モータに印加する三相交流の周波数を変え,回転特性を測定した。また,常温状態で固定子より回転子に直流磁界を加えた後,低温下で超電導化し磁束のピン留めを発生させ,その後交流磁界を固定子に印加することで,ピン留め磁束がモータの回転トルクにどのような影響があるかを詳細に測定した。以上の途中経過までを成果報告した。これらの結果に基づき,高温超電導モータの回転原理を検討した。この超電導モータは,固定子の交流印加時には磁束が回転子に留められることはなく,主として磁束の超電導体内の通過に伴う損失で誘導機同様の回転トルクを得ていると考えられる。また,直流磁界によるピン留めは回転子表面に極を発生させ,トルクの増加に寄与すると考えられる。超電導体を用いた磁気軸受に関しては,初期のピン留め位置の設定が回転時の安定性に影響することと,超電導体としてピン留め力の強い組成とする必要があることを確認した。
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