Project/Area Number |
04650531
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
黒正 清治 福井工業大学, 工学部, 教授 (80016328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 靜雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (90092569)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 座屈 / 変形性能 / 帯筋 / 鉄筋コンクリート / 柱 |
Research Abstract |
1.はじめに 鉄筋コンクリート構造物の耐震設計法に保有耐力と変形性能の考え方が取り入れられるようになり、1990年には、日本建築学会から「鉄筋コンクリート造建物の終局強度型耐震設計指針・同解説」が発表されている。この指針による設計方針は、梁と1階の柱に降伏ヒンジを想定する全体曲げ降状機構により、地震時に建物に入力するエネルギーを消費しようとするものである。従って、梁に靭性を確保させるだけでなく、1階の柱に対しても強度と十分な靭性を確保させる必要がある。 本研究は、柱の変形限界を支配する主筋の座屈性状と補強筋の拘束効果の関係を明らかにした上で、高軸力を受ける鉄筋コンクリート柱の変形能力を定量的に把握するものである。 2.主筋の座屈性状に関する実験 主筋径、主筋位置、帯筋径および帯筋間隔を実験変数とし、柱の単純圧縮実験を行い主筋の座屈性状を調べた。帯筋間隔が主筋径の8倍以下の場合には、主筋の座屈はすべて塑性座屈であり、帯筋間隔が耐力に及ぼす影響は見られなかった。帯筋間隔が主筋径の8倍の場合には6倍以下の場合に比べ、最大耐力時のひずみが小さく最大耐力後の耐力低下も激しく、変形能力に乏しかった。 3.柱の変形性能に関する実験 軸力比と帯筋比を実験変数とし、柱の繰返し曲げせん断実験を行い、柱の変形限界を調べた。限界変形は、軸力の増加および帯筋比の減少にともない小さくなった。学会指針による限界変形の計算値は高軸力下では過大評価になった。中子筋を併用すると帯筋比の増加以上に変形性能が向上した。 4.結果 実験結果から鉄筋コンクリート柱の変形限界に及ぼす帯筋の効果について明らかになった。高軸力下では変形限界が小さいものの、帯筋で拘束されていれば、エネルギー吸収が大きいので、塑性を考慮した設計も可能であることが明らかとなった。
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