Project/Area Number |
04650605
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小島 謙一 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (90046095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 勝 横浜市立大学, 文理学部, 助手 (80236546)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 合成金属 / C_<60>結晶 / フラーレン / 結晶欠陥 / 結晶成長 / X線トポグラフ |
Research Abstract |
金属と同じような性質をもつ合成有機金属結晶の研究は近年、超伝導や非線形光学の分野で重要な発見があった。特に、C_<60>の結晶にKをドープすると超伝導が発現することが判った。しかしながら、C_<60>の結晶はたとえばベンゼンやCS_2溶液から結晶成長させると溶媒の巻き込みから高品質の結晶が得ずらい。それゆえに、気相成長法の方がのぞましいが大きな結晶の育成が難しくなる。また、結晶の品質の評価の方法が確立されていないのが現状である。そこで、本研究は高い品質のバルクC_<60>結晶を育成する方法と結晶の完全性の評価を確立することを目的としている。 1結晶の育成 C_<60>結晶は高温部約560Cで低温部約400Cの勾配を持った炉にC_<60>の粉末(都立大学理学部阿知波先生から提供された)を真空封入したガラス管を高温部に置き、低温部で結晶成長させた。一回の結晶成長では0.5mmから1mmまでのC_<60>結晶を得た。そこで、さらに、大きく結晶成長したC_<60>結晶を集めさらに同じ操作を繰り返した。その結果2回目に成長した結晶は最大1.5mmの大きさと(111)を癖壁面を持つC_<60>結晶を得た。この方法は大変効果的なのでさらに繰り返し行いさらに大きなC_<60>結晶を育成したい。 2結晶の評価 これまでC_<60>結晶の結晶性の評価はほとんどなされていなかった。そこで、X線トポグラフによって結晶の評価を試みた。気相成長によって得られた最大の結晶をそのまま(111)を反射面としてX線トポグラフを試みた。得られたX線トポグラフ像は転位の分解された像は得られず、全体として歪みの入った像になった。このことは気相成長によって得られた結晶の完全性はあまり良くないことが判った。これは、試料の処理が不十分であり、適当な薄さと平行度を出すことによって解決されるものと考えられる。 3今後の計画 完全性の高いC_<60>結晶の育成とその評価の確立、微小硬度計による硬度の温度に対する依存性を調べ強度に関する知見を得たい。さらに、完全性の高いC_<60>結晶にアルカリ金属をドープし超伝導状態と欠陥の関連性を研究したい。
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