Project/Area Number |
04650606
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 豊 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (40241129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 英雄 岩手大学, 工学部, 教授 (30134042)
藤田 英一 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (90029380)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 高速拡散 / Ti-Fe合金 / メスバウア分光 / 格子間原子 / ω変態 |
Research Abstract |
本研究は、チタン中で高速拡散するFe原子の動的挙動を、高温メスバウア分光により、ミクロな立場から原子的尺度で、その場観察することを目的とした。今回は吸収体実験を行い、Fe原子が充分固溶する高温相β-Ti(bcc)における高速拡散過程を主に調べた。 (1) Ti_1-xFex (X=5〜20at%)の箔片試料(〜150μm)を、超高真空高温メスバウア測定炉中で直接作製した:本研究では高温でスペクトルを直接観察するので57Feアイソトープを用いることが不可欠であるが、これが非常に高価な為に、通常の溶解による試料作製は不可能である。このために、Tiと57Feを目的の組成が得られるように圧延、秤量し、メスバウア測定用の試料ホールダーに挿入・密着させ、これをβ相内で相互拡散させた。この過程はメスバウア・スペクトル測定によりモニターしながら行い、β-Tiに固溶したFeの試料を得ることに成功した。 (2) 超高真空高温メスバウア炉を用いて、先ずTi_<83>-Fe_<17>のβ相内の温度領域で詳細にスペクトルの測定を行なった。800〜950℃で観測されたスペクトルは線幅が大きく異なる二成分からなる。より拡がった成分の線幅から“メスバウア拡散係数"を求めると“トレーサー拡散係数"と良い一致が得られ、もう一つのシャープな成分の線幅からは、一桁低い値が得られる。この結果は、同様な系であるβ-Zr-Feで以前見いだされた“メスバウア拡散係数"と“トレーサー拡散係数"の異常に大きな差の謎を解明するものと考えられる。さらに、β-ZrNb-Feの実験で見いだされたω相の揺らぎによる成分との関連を現在考察中である。 (3) いくつかの可能な高速拡散機構モデルに対して理論スペクトルの計算を行い、観測されたスペクトルと比較している。これにより、β-Ti中のFe高速拡散機構が明らかになると期待される。
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