生体内環境における医用器具用チタン合金の疲労特性の改善に関する研究
Project/Area Number |
04650648
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
金属材料(含表面処理・腐食防食)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
新家 光雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50126942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90023324)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 医用器具 / チタン合金 / ステンレス鋼 / 生体内環境 / 疲労強度 / 引張強度 / 化学熱処理 / ミクロ組織 |
Research Abstract |
本研究では、医用器具用チタン合金として実績のあるTi-6Al-4V(Ti-6・4)ELI合金および開発段階にあるTi-5Al-2.5Fe(Ti-5・2.5)合金のより適切な医用器具への適用を踏まえて、疲労強度特性を大気中および生体内環境にて調べることおよび水素を用いた化学熱処理(TCP)によるミクロ組織の微細化による同チタン合金の疲労強度の改善を目的とした。 先ず、Ti-6・4およびTi-5・2.5合金の引張強度および疲労強度特性を大気中にて調べた。その場合、従来医用器具用金属系材料として多用されてきているステンレス鋼(SUS 316L)の引張強度および疲労強度特性との比較も行った。Ti-5・2.5合金の引張強さ、0.2%耐力および伸びは、Ti-6・4合金のそれらに比べやや優れる結果が得られた。SUS 316L鋼の引張強さおよび0.2%耐力は、両チタン合金のそれらに比べかなり劣るが、伸びについては逆にかなり優れた結果となった。回転曲げ疲労強度をこれらの合金について調べたところ、SUS 316L鋼では例えば10^6サイクルの寿命の場合両チタン合金の疲労強度の約1/2と低くなっており、両チタン合金の疲労強度はほぼ等しいが、ややTi-5・2.5合金の疲労強度の方がTi-6.・4合金に比べ優れることがわかった。したがって、Ti-5・2.5合金の医用器具への適用が支持される。一方、Ti-6・4およびTi-5・2.5合金に水素吸脱処理、すなわち化学熱処理(TCP)を施したところ、両チタン合金のミクロ組織が微細化され、引張強度が著しく改善された。特にTi-5・2.5合金では、強度とともに伸びおよび破壊靭性も向上した。よって、TCP処理による両チタン合金の疲労強度の向上が期待される。上記研究を進行されるとともに、生体内環境装置を回転曲げ疲労試験機に設置した。今後、生体内環境での疲労強度データの蓄積をさらに進めることが可能となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)