Project/Area Number |
04650665
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
溶接工学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 靖志 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (90005405)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ガス吸収 / 金属微粒子 / アーク熱源 |
Research Abstract |
今年度は二つのテーマにしぼり研究した。第1は窒素ガスを雰囲気ガスとして用いて316LNステンレス鋼溶接金属の窒素吸収を調べた。第2はアルゴンおよびヘリウムを用いた高圧溶接時の金属微粒子の生成現象についてである。研究実績の概要を以下にまとめる。 1.実験装置および方法:実験には溶接機を内蔵した溶接雰囲気調整装置を用いた。溶接条件はアーク長を一定とし電流を200〜320Aと変化させた。消耗電極線には1.6mm直径の316Lステンレス鋼と軟鋼を母材には同規格の板材を用いた。 2.研究結果:2-1高圧窒素雰囲気アーク中での316LNステンレス鋼溶接金属の窒素吸収.(1)アーク長を7mm一定とした場合アーク電圧は窒素圧力と共に増加し圧力6.1MPaでは約100Vとなる。(2)溶接金属の窒素含有量は雰囲気の窒素圧力と共に増加し最大圧力6.1MPaで約0.65%となる。しかしこの値は熱力学的に推定された平衡溶解度と比べると非常に少ない。(3)溶接金属中の窒素量が増加するにしたがって硬さは直線的に増加する。(4)窒素含有量の増加と共に溶接金属の格子常数は増加する。したがって窒素は主に固溶状態で含まれているものと考えられる。 2-2金属微粒子生成現象におよぼすアルゴンおよびヘリウム圧力の影響(1)金属微粒子生成速度は雰囲気圧力と共に増加する。2MPaでは約1.2mg/secとなる。(2)ArとHeの比較ではHeの方が効果的であった。(3)本法はアーク中を移行する溶滴表面から微粒子の発生もあり非常に効率的であることが判った。(4)生成された微粒子をX線回折法で調べた結果、α-鉄であることが確認され同時にFe_3O_4のピークもみられた。(5)粒度は数nμから数μmまで分布しており、球形や多角形のものも存在した。今後高窒素含有ステンレス鋼溶接金属の物理的性質や窒素雰囲気中での微粒子生成挙動も検討する予定である。
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