Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
1.化学発光(CL)試薬であるビス(ペンタクロロフェニル)オキザレート(TCPO)とペリレンを含むクロロホルムを溶解した界面活性剤溶液に,種々の還元性生理活性物質を加えて,CLを観測した。その結果,アスコルビン酸およびシステインを加えたとき,グルタチオン等の他の還元性物質を加えた場合と比較して,CL量は著しく増大した。つぎに,アスコルビン酸を用いて,CL量に及ぼす界面活性剤および緩衝剤の影響について検討した。その結果,界面活性剤にはカチオン性界面活性剤である塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが,また,緩衝剤にはイミダゾールが適当であることを明らかになった。そこで,アスコルビン酸について最適なCL反応条件を検討した。最適反応条件で,本法のアスコルビン酸に対する定量感度を求めたところ,定量範囲は1.0x10^<-7>M〜1.0x10^<-5>M,また,検出下限は1.0x10^<-8>Mとなった。本研究結果から,本法のアスコルビン酸に対する定量感度が従来法に比較して,非常に優れていることが明かになった。 2.従来のTCPOのCL反応において,酸化剤である過酸化水素が必要であるが,本CL系では反応開始時に過酸化水素を加えなくても,CLが発現した。その理由はミセル触媒作用により,アスコルビン酸が酸化されて,過酸化水素を生成するためと考えた。そこで,Ti-PAR法により生成する過酸化水素の定量を行ったところ,アスコルビン酸の約5%が過酸化水素に変換されることが明らかになった。なお,過酸化水素はアスコルビン酸がデヒドロアスコルビン酸に酸化される過程で生成したものと考えた。また,ミセル触媒作用の効率は用いる有機溶媒により異なり,ヘキサンを用いた場合,過酸化水素の生成量は最も大きかった。
|