Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
ランタニドイオンの分離ーセンシングシステムの確立を目的として,以下の研究を行った. 1.八座芳香族ポリアミノカルボン酸配位子のエネルギー移動発光試薬としての評価を行った.細胞内カルシウムイオン計測用試薬として開発された,QUIN2およびBAPTAがそれぞれユーロピウム(Eu)およびテルビウム(Tb)に対して優れた発光試薬群となることを発見し,その基礎的分光学データを収集した.単純なEuCl_3およびTbCl_3溶液に対してEu-QUIN2系では1380倍,Tb-BAPTA系では1600倍の発光増感が得られた.Eu-QUIN2錯体の発光寿命は約60マイクロ秒であることを明らかにし,時間分解発光計測の可能性を明確にした.Tb-BAPTAキレートの有機溶媒への分配挙動の検討も行い,イオン対分配系として逆相型HPLCへの展開の基礎データを得た.以上,エネルギー移動発光試薬の分子設計指針となる基本構造として八座芳香族ポリアミノカルボン酸の有効性を明らかにした.(国際誌,Talanta投稿中) 2.物質の二相間分配分離系としてのHPLCに対して,電位匂配に駆動される運動エネルギー差を分離能に反映させるキャピラリ電気泳動システム(CE)をランタニド錯体分離に導入するための基礎実験を行った.ここでは遷移金属-4-(2-pyridylazo)resorcinol錯体をモデルとしてそのピーク分解能と検出能を詳細に検討し,直接配位に関与しない-OH基のプロトン解離反応が中心金属の特性を良く反映し,その錯体電荷を制御して,高い相互分離能を生み出すことを明らかにした.通常の吸光検出法によっても10^<-15>molの検出が可能であり,その高い分離能と共にエネルギー移動発光検出〜ランタノイド分離系に優れた方法を与えるものであることを示した.(日本化学会速報誌 Chemistry Letters,平成5年1月6日採用受理)
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