Project/Area Number |
04650693
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安盛 敦雄 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40182349)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | Sn-Pb-P-F-Oガラス / フツリン酸塩ガラス / 超低融点ガラス |
Research Abstract |
これまでTickらによって報告されているガラス作製法によって得られるSn-Pb-P-F-O系ガラスは、(1)リン酸原料中に含まれているアモニア成分がガラス中に多量に残存する、(2)出発原料組成でのF/0比と、得られるガラスのF/0比が大きく異なり制御性に乏しい、(3)色素などを添加する際に必要となる再溶融を行なうと、F成分が時間とともに減少しガラスの不均質・失透が生じる、という主に3つの問題点を含むものとなり、ガラス作製プロセスの改善が必要である。本研究では、酸化物ガラスを予め作製し、その後にフッ化物原料を添加する2段階溶融法を用い、上記の問題点について検討した。 1段階目の酸化物ガラスの作製として、SnO-P_20_5系、Pbo-P_2O_5系の2通りについてまず検討し、溶存アンモニア成分を充分に取り除くにはN_2ガスバブリングを行いながら700℃以上で溶融する必要があることが分かった。さらにこの条件では、SnO-P_2O_5系でSr^<2+>→Sn^<4+>への酸化が促進され、フッ化物原料添加後、ガラス中にSn^<IV>P_20_7結晶が析出してしまうことが明らかとなり、Snの価数制御も考慮に入れる必要があることがわかった。一方、PbO-P_2O_5系で作製した場合、溶存アンモニアの低減に加え、F成分の損失を40%以下(Tickらの方法では70%以上損失してしまう)に低くすることが可能となった。この系を用いて得られたSn-Pb-P-O-Fガラスは、光透過性がよく、400℃での再溶融試験ではF/0比の経時変化が極めて小さい良質なガラスとなっていることがわかった。その結果、上記の3つの問題点をほぼクリアした溶融プロセスを見出だした。
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