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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
(1)対象系としては、塩化物系、臭化物系、ヨウ化物系の三種のハロゲン化物ガラス系を取りあげた。そして、これらのハロゲン化物ガラス系のガラス網目形成成分としてはLiX,CuX,AgXを取りあげた。ガラス組成系はMX-RX-CsX-BaX_2(M:Li,Cu,Ag;R:K,Rb;X:Cl,Br,I)系とした。(なお、ここでRX,CsX,BaX_2はガラス網目修飾成分)この組成系を選択した理由はLiX,CuX,AgXが約55モル%付近の同一含有量でガラスが得られ、LiX系ガラス,CuX系ガラス,AgX系ガラスのイオン伝導特性,物性特性,構造特性の相互比較が可能であるためである。 (2)2電極交流複素インピーダンス法による電気伝導度の測定の結果、同一組成ではイオン伝導はAgX系,CuX系,LiX系の順に低下し、一方AgX系,CuX系,LiX系でのイオン伝導のハロゲン種依存性は異なることが明らかになった。 (3)AgX系,CuX系,LiX系のガラスについて分子動力〓シミュレーションを行った結果、Ag^+,Cu^+,Li^+のハロゲン化物イオンの配位数は4が優先的であるが、一部5〜6配位が存在すること、また、それらの配位多面体は角共有のみでなく、稜共有も存在すること、一方、ガラス構成イオン種の拡散はAg^+,Cu^+,Li^+のみが優先的でなく、他のイオン種も拡散が起っていることが示唆された。 (4)AgX系とCuX系のガラスについてAgとCuのEXAFS解析を、LiX系ガラスについてX線動径分布解析を行った結果、Ag^+,Cu^+,Li^+のハロゲン化物イオンの配位数はほゞ4であることが明らかになった。 (5)これらのガラス系での塩化物イオン,臭化物イオン,ヨウ化物イオンのイオン伝導への寄与については今後の検討課題である。また、PbX_2系ガラスの研究は安定なガラス形成系を見い出すことが困難であり、これも今後の検討課題として残された。
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