Project/Area Number |
04650709
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学・無機材料工学
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
岡田 繁 神奈川大学, 工学部, 助手 (40191952)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 固相反応 / 金属酸化物 / 非晶質ホウ素 / B_6O / α-菱面体ホウ素型 / 格子定数 / 組成比 |
Research Abstract |
ホウ化物の内、ホウ素含有量の多い高級ホウ化物は幾つかに分類されるが、その中でα-菱面体型ホウ素はホウ素正20面体だけのホウ素骨格で結晶構造ができあがっている。これと同型化合物にはB_4C、B_6O、B_<12>S_2などが存在する。それらは高硬度で、熱的安定性で、耐薬品性に優れた特性を有し、一般的な無機ホウ素化合物に較べてホウ素含有量が多いために、耐熱性に高強度材や中性子吸収材などの工業的用途が期待されている。また、最近では、これらの化合物が熱電変換特性を示すことが指摘されるようになり、耐熱性の熱電半導体材料として、その応用が期待されている。そこで、それらの関連化合物の内、報告例のきわめて少ないB_6Oに関して熱電半導体材料としての可能性を検討することにした。まず、その物性評価を行う前に、B_6Oの合成の研究から行った。既に、ホウ素と酸化ホウ素との直接合成法からB_6Oを得るための条件を検討し、その結晶の構造解析からホウ素正20面体骨格と酸素位置を明らかにした。本報告では、ZnO、CuO、In_2O_3、MgO、Bi_2O_3、Ga_2O_3、Li_2B_4O_7の7種類の金属酸化物と非晶質ホウ素との直接反応からB_6Oを合成するための加熱温度の変化から検討した。その結果、In_23_3、ZnOおよびLi_2B_4O_7から得られたB_6Oは、X線回折ピークの強度比が高くて、安定して得られることが分かった。また、In_2O_3から得られたB_6Oの組成比はB_<5.97>O〜B_<5.94>Oで、ZnOから得られたB_6Oの組成比はB_<5.92>O〜B_<5.89>Oで、それぞれホウ素欠損側で存在していたが、Li_2B_4O_7から得られたB_6Oの組成比はB_6O_<0.93>〜B_6O_<0.98>で、酸素欠損側で存在していた。このように出発原料の違いによって、B_6Oの組成比が異なったものが得られることが分かった。今後、これらの試料の焼結体と炭化ホウ素焼結体を作製し、両者の熱電変換特性を比較し、より高効率を得るための条件を検討する予定である。
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