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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
低温プラズマ照射あるいは活性化無機酸化物によって炭酸ガスを活性化状態にしたのち,水あるいは有機化合物と反応させて有用化合物へ変換させる研究を行った。 1.低温プラズマ処理による炭酸ガスの有用化合物への変換 炭酸ガスをプラズマ処理すると,イオン,ラジカルあるいはイオンラジカル等の高活性化状態になり,種々の化合物と反応することが期待される。そこで,まず,このように活性化された炭酸ガスと水との反応について研究した。その結果,反応生成物を各種機器によって検索したところ,ギ酸が生成していることが判明した。反応条件を変化させて詳細に検討した結果,効率よくギ酸を生成させることが可能となり,本方法は炭酸ガスの有用な固定化法となりうることが判明した。今後は,各種の有機化合物と反応させて,カルボン酸誘導体の新規合成法へと展開できることが期待される。 2.活性化無機酸化物による新規合成法の開発 粉末状酸化マグネシウムあるいは酸化カルシウムを300℃で真空下加熱処理して,活性化された無機酸化物を合成した。これに炭酸ガス続いて各種エポキシドを加えて反応させたところ,炭酸エステル誘導体が生成していることが判明した。これは,活性化された無機酸化物表面によって炭酸ガスが活性化され,エポキシドと1,3双極子付加反応したことを示している。すなわち,本方法は炭酸ガスの新規固定化法として有用であり,今後は各種有機化合物との反応性について研究する予定にしている。また,この方法によって活性化された無機酸化物の応用性を調べる目的で,これら酸化物存在下チオカルボン酸とα,β-不鉋和カルボン酸エスチルとの反応を行ったところ,この反応の触媒として利用できることが判明した。
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