Project/Area Number |
04650722
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学・複合材料
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 徹一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90205097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 昭 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30211874)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | インターカレーション / 三酸化タングステン / 構造 / リートベルト法 |
Research Abstract |
報告者らは、金属タングステンと過酸化水素水の反応で生成する過酸化ポリタングステン酸のアンモニア塩を前駆体として用いることにより、六方晶三酸化タングステンが得られることを見いだした。これは、従来のWO_3・1/3H_2Oの熱分解によって生じる六方晶相とは明らかに異なるもので、三酸化タングステンの新しい準安定相と考えられる。これまでは現状は、少なからぬ不純物を含み、また、結晶性も十分ではないため、精密な構造解析は行われていなかった。この物質はアルカリ金属インターカレーションのホストとして興味深いが、このような機能も同じ理由により、系統的には評価されていなかった。本研究では、まず、前駆体アンモニウム塩の合成条ならびにその熱分解条件を精密に制御することにより、純粋で結晶性のより六方晶三酸化タングステン試料を得ることを目的とした。前駆体アンモニウム塩は過酸化ポリタングステン酸溶液にアンモニア水を加え、加熱後中和して析出させ、これを焼成して目的の物質を得た。純粋で結晶性のよい試料を得るため、前駆体中にパラタングステン酸アンモニウムの副生成しない条件および焼成時に高温相の生じない条件を検討した。さらにこの物質のX線回折により構造を決定し、従来の六方晶相との相違を明確にすることができた。第二に、この六方晶フレームワークがもつトンネル中、あるいはトンネル間プリズム位置への種々のアルカリイオンの電気化学的インターカレーションを試み、その可逆性やイオンの拡散挙動について検討した。この化合物を作用電極、アルカリ金属(本年度はリチウム)を対極および参照極とする有機電解液3電極セルをアルゴングローブボックス中で組立て、電量滴定的にインターカレーション反応を追跡し、その可逆性についても検討した。その結果充電時にはわずかな過電圧が見られるものの良好な可逆性を示した。
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