Project/Area Number |
04650739
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学・複合材料
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩倉 千秋 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00029183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 直治 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081338)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 水素発生 / 活性陰極 / 酸化ルテニウム(IV) / 水素吸蔵合金 / 薄膜電極 / 分散めっき |
Research Abstract |
近年、省エネルギーや省資源などに関連して、過電圧が低く安定性や反応選択性に優れ、かつ製造コストの低い電極触媒の開発が熱望されている。このような状況に鑑みて、本研究では、耐酸化性のみならず耐還元性も有するRuO_2の微粒子をNiマトリックス中に均一に分散させた新規な複合薄膜電極、Ni/(Ni+RuO_2)、を分散めっき法で作製し、そのキャラクタリゼーションを行った。その結果得られた主な知見を総括すると、次の通りである。1.(Ni+RuO_2)薄膜中のRuO_2粒子の分散量は、めっき浴中のRuO_2粒子の懸濁量が増すにつれて増加する。2.(Ni+RuO_2)薄膜はカリフラワー状に成長して複雑な表面形態を呈するが、RuO_2粒子はNiマトリックス全体にわたって一様に分布する。3.10mol dm^<-3> NaOH中、90℃、100mA cm^<-2>で電解したとき、Ni/(Ni+RuO_2)電極を用いるとNi/Ni電極に比べて水素過電圧を300mV以上も低減できる。4.水素過電圧の低減には、電極の大きな表面積だけではなく、RuO_2の高い触媒活性が大きく寄与している。5.電解時間につれてNi/(Ni+RuO_2)電極中のRuO_2には状態変化が認められるが、電極電位は変化しない。6.Ni/(Ni+RuO_2)電極の水素発生反応はRuO_2上で起こり、低電流域ではHeyrovsky反応が律速段階となるVolmer-Heyrovsky機構で進行する。7.水素吸蔵合金であるLaNi_5粒子を分散させた(Ni+LaNi_5)薄膜層をさらに付与したNi/(Ni+LaNi_5)/(Ni+RuO_2)電極では、短絡休止時のNiの酸化が防止される。8.Ni/(Ni+LaNi_5)/(Ni+RuO_2)電極では、高活性なRuO_2を担持しているため、LaNi_5のみを担持したNi/(Ni+LaNi_5)電極に比べても、水素過電圧がかなり低減できる。9.Ni/(Ni+LaNi_5)/(Ni+RuO_2)電極では、二層構造のために各粒子に最適なめっき条件が設定でき、薄膜中への分散量の制御も容易である。10.高電流密度域での水素発生反応に対する本電極の高活性は、主にVolmer反応の速度が大きくなることによりもたらされる。
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