電析法による希土類金属ー遷移金属薄膜の作製とその磁気的特性
Project/Area Number |
04650743
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学・複合材料
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 祐一 神奈川大学, 工学部, 助教授 (20201535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小早川 紘一 神奈川大学, 工学部, 助手 (40078332)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | サマリウムーコバルト / 電解めっき / 非晶質薄膜 / 非水溶液 / 磁化特性 / ホルムアミド |
Research Abstract |
無水ホルムアミド中にSmCl_3とCoCl_2を溶解させ電解液とし、電極としてITO(In-Tin Oxide 透明ガラス電極)を用いて、サイクリックボルタモグラムを測定した所、SmCl_3単独では非可逆波を与えるが、CoCl_2を共存させると一対の可逆的な酸化還元波を与えることが判った。定電流電解を行った所(25℃)、SmとCoを含む薄膜を得る事ができた。析出物の色や性状は電流値や薄膜中のSm含有量に依存し、Sm含有量が50%以上、電流密度8mA/cm^2以下のとき薄膜表面は灰色で金属光沢を示した。10mA/cm^2の場合は表面にひび割れが生じた。Sm濃度35mol%の溶液中で、6mA/cm^2で電解したとき、電流効率は37.5%であった。XMA分析によれば、SmとCoは析出物中に均一に分布していた。膜厚は電気量を36C/cm^2流したとき1.7〜2.1μmであった。同じ溶液でも電流密度を高くすると膜中のSm含有量が増大した。XPS測定によれば、表面のSm、Coは酸化物であるが、内部では金属状態であった。X線回折結果によれば析出物は全く回折ピークを示さず非晶質であるが、600℃、アルゴン雰囲気中で加熱すると多くの回折ピークを示し、全てCo酸化物由来であった。表面が活性に富み空気に触れただけで酸化するようである。しかし、電流密度2mA/cm^2、電解時間2時間でCo濃度80ないし90mol%を含む溶液から得られた薄膜についてVSMを用いて磁化特性を測定したところ、Co濃度の高い薄膜ほど高い飽和磁化を示した。強磁性を示すSm_2Co_<17>やSmCo_3が存在しているものと推定される。X線回折でこれら回折ピークが認められなかったのは酸化物ピークに妨害されたためと考えられる。試料を加熱することによって飽和磁化、残留磁化、保持力の値がいずれも増加した。得られた値はバルク磁石で知られている値より小さな値であったが、これは多量に存在する酸化物のためと推定される。しかし、厳密にコントロールされた雰囲気中でめっきを実施すれば磁性薄膜が得られる可能性を実証した。
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Report
(1 results)
Research Products
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