異種金属クラスター集合体による高密度多点相互作用反応場の設計
Project/Area Number |
04650746
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学・複合材料
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北川 進 東京都立大学, 理学部, 教授 (20140303)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 銅クラスター / 6核クラスター / 4核クラスター / 銅配位高分子 / バナジウムクラスター / アルキン錯体 |
Research Abstract |
本研究では以下の様な成果を得た。 1.銅クラスターの合成を行なった。配位子にはピリミジン誘導体である4-hydroxy-6-methylpyrimidine-2-thione(Me(OH)pymtH)および3,4,5,6-tetrahydropyrimidine-2-thione(H_4pymtH)を用いた。Me(OH)pymtHからは6核クラスター骨格を持つ[Cu_6(Me(OH)pymt)_6]を得た。このクラスターのCu-Cu距離は2.770(2)〜3.465(2)Aであり歪んだ八面体構造である。一方、H_4pymtHは4核クラスターを与えた。[Cu_4(H_4pymtH)_4]の組成を持ち、Cu-Cu距離は2.799(2)〜3.019(2)Aで四面体骨格を持っている。このクラスター骨格の制御がピリミジン配位子のチオール、チオン互変異性(N=C(SH)-(] SY.dblarw. [)NH-C(=S)-)の調整で可能なことを初めて明かにした。即ち多点相互作用場の設計が極めて容易になったと言える。 2.オレフィン、アルキン類と銅との反応を調べた。これにはモデル系として[Cu(phen)(HC≡CR)]CIO_4(phen=1,10-phenanthroline,R=H,Ph,CO_2Et)を用いた。これらのX線構造解析を行ない全てアルキンがside onで配位すること、C≡C結合距離は配位により伸びることを明かにした。さらに14種の系に対して安定度定数をも求め、銅の反応場のaffinityの系列を作成することに成功した。 3.バナジウムについてはchloranilic acid(H_2caを用いて3価バナジウム2核錯体の合成に成功し、その構造が[V_2(ca)Cl_2(thf)_2]であることを明かにした。 以上より、多点相互作用を行なう金属クラスターを含む多核錯体を銅、バナジウムについて合成することができた。この成果は今後CO_2、フェノール、アルコール、ケトン、カルボン酸などのと反応を行なう最適のCu-V系クラスター集合体の構造を設計し、構築するうえで極めて有用な知見を与えるものと大いに期待される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)