Project/Area Number |
04650795
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性・高分子材料(含機械材料)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 雄三 群馬大学, 工学部, 助教授 (30008479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 安史 群馬大学, 工学部, 講師 (50008463)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | トランスクリスタル / ポリプロピレン / X線回折写真 / 圧延 / 結晶転移 / 結晶配向 / DSC |
Research Abstract |
本研究では主としてアイソタクチックポリプロピレンフィルムの全領域がトランスクリスタルである試料フィルムを作製し、その圧延による構造変化について検討した。なお、ポリプロピレンにはα型、β型という主な二つの結晶変態があり、それぞれの型からなるフィルムを作製し試料とした。以下に得られた主な結果を示す。 1.α型のフィルムではX線回折写真より、結晶bおよびc軸がフィルムの面内にランダムにあり、主な結晶の成長軸(フィルム面に垂直)がa^*軸であることがわかる。この試料をローラで圧延すると、延伸倍率(λ)が増すにつれて微結晶サイズ、結晶化度などは小さくなり、λ=2.5以上になると再び大きくなることがX線回折やDSC測定の結果かからわかる。しかし、延伸温度が高い場合は熱処理効果のため1と共にこれらの値は大きくなる。圧延によりフィルム面に垂直立っていた結晶がフィルム面に倒れながら、c軸が延伸方向に配向していくため、初期の延伸ではc軸のランダム化が見られる。圧延はいわゆる一軸延伸とは異なり、横方向の緊張があるためλ=4では完全な一軸配向にはならない。(これらの結果については平成5年6月の繊維学会年次大会で発表予定) 2.β型は六方晶系であり、a軸がフィルム面に垂直でc軸はフィルム面内にある。熱や延伸により、βからα型へと結晶転移が容易に起こる。補助金で購入した試料加熱延伸装置は熱による転移を調べるために用いた。この装置を若千改良し、最小カメラ半径9cmで試料温度を徐々に上げながらX線回折写真を撮影することができた。145℃付近でβからα型へと結晶転移が認められた。また、圧延による転移はλ=2.0付近まで急激に起こることがわかった。なお、圧延については平成4年繊維学会秋期研究発表会で発表した。 3.力学的測定については現在再現性等の検討を行なっている。これは顕微鏡観察等とともに今後の課題とする。
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