Project/Area Number |
04650798
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性・高分子材料(含機械材料)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 俊 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70210416)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 感光性ポリイミド / 電荷移動 / 電子線リソグラフィー / 二波長増感反応 / 電子状態支配固相光反応 / 電子受容体 / 耐熱性 / 蛍光法 |
Research Abstract |
本研究では、芳香族高分子および芳香族高分子をマトリックスとする固相光反応の特徴を解明し、反応の高効率化・高機能化を図るための分子設計および反応設計の方法論を確立した。 まず、ベンゾフェノン型感光性ポリイミドや含硫黄芳香族ポリマーの固相状態を蛍光法を用いて解析すると共にその光反応性を調べ、高分子鎖の凝集や分子内あるいは分子間電荷移動の形成に伴うポリマーの電子状態の変化がその光反応性を支配していることを明らかにした。そこでイミド基による電荷移動構造を抑制することと長寿命活性中間体の導入による活性種の失活の抑制が感光性ポリイミドの高感度化のために重要であるということを提案し、ジアゾ基を含むポリイミドを合成し、反応性が約100倍も向上することを実証した。また電子線反応によりベンゾフェノン型ポリイミドにリソグラフィーが行なえることを初めて示しそのパルスラジオリシスによる過渡吸収測定から、電子線励起による電子励起状態を経て架橋反応がおこっていることを示した。同時に、イミド化合物では効率よくアニオン種が生成することを見出した。さらにポリイミドーメチレンブルー系において、二波長増感反応がおこることを見出した。 これら一連の研究により芳香族高分子の固相光反応は、高分子鎖の運動性のみならず、高分子固体の電子状態が支配しているという概念を確立した。それは、これまでの固相光化学反応論における固体状態の概念を電子状態を含めた新しい概念へと拡張したものである。また、ポリイミド固体中に高濃度に存在する強い電子受容性基を光化学反応に利用できることを示した。このように芳香族高分子固相中の電子状態を制御しながら「電子受容性反応場」として積極的に利用する道を拓いたことは今後、様々な耐熱性機能素子材料として発展させる基礎となる。
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