作物の水移動にともなう地下部から地上部への情報伝達に関する研究
Project/Area Number |
04660017
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
作物
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小葉田 亨 島根大学, 農学部, 助教授 (60186723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和広 島根大学, 農学部, 助手 (90234814)
今木 正 島根大学, 農学部, 教授 (60032562)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ABA / 土壌環元 / 気孔 / 吸水 / 低温 |
Research Abstract |
土壌環元状態にある水稲及び低温においたチャの根圏導管液が葉身の気孔閉鎖をもたらすかどうかを確かめる前段階として、ドナー葉身への導管液投与の方法を検討した。そのために、まずイネにたいして葉身を切取り、気孔を閉鎖する事が知られているアブシジン酸(ABA)を葉身基部から吸収させようとした。しかし、蒸散が盛んな屋外、および人工制御室のいずれにおいても、切断後しばらくして葉身は萎凋し、溶液吸収による気孔反応を調べられなかった。そこで、立毛中の水稲葉身先端の切除部から、ABA溶液を小型バイアルに入れ吸わせた。そして、葉身中央部裏面の気孔伝導度(Cs)をポロメーターで測定した。まず、蒸留水で葉身の切断自体がCsに与える影響を見たところ、切断直後値はやや低下するものの、15分以降は切断しないものとほとんど差はなくなった。また、バイアルからの溶液の吸水量と蒸散量との日変化の間には相関が有った。最も濃度の高い10^<-3>mol l^<-1>溶液で見ると、吸水後10分でCsは低下し始め、2時間で対照区の40%以下になった。さらに濃度を変え吸収させてみると、かなり変動は有るものの気孔閉鎖の効果は10^<-3>mol l^<-1>まで観察できた。10^<-3>mol l^<-1>の溶液で、葉身先端からの吸収にともないどのように気孔が閉鎖してゆくのかを、気孔開度測定用浸潤液(II)に時間ごとに葉身を浸けて、浸潤の程度を見たところ、吸収開始後徐々に葉身先端の周辺部から、葉身中央に向けて気孔閉鎖が進むのがわかった。 以上から、本方法により圃場条件下で生育したイネを使って、蒸散流にともない移動するABA等の生長調節物質によるイネ葉身の気孔反応を簡単に知ることができた。これらの方法を使って、当初の根から地上部への気孔開閉を中心とした情報伝達物質移動の可否についてさらに研究をすすめつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
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